冬こそ草取りのチャンスです
春に庭が雑草だらけになるかどうかは、実は今、11月の過ごし方で決まります。庭師として20年以上、毎年たくさんのお庭を見てきましたが、秋に一度手を入れたお庭は、春の草取りが目に見えて楽になります。
「寒くなれば雑草も枯れるから放っておいていい」と思われがちです。ところが、秋に芽を出して冬を越し、春に一気に花を咲かせて種をまく雑草がたくさんあります。今は背丈が低く根も浅いので、一年でいちばん楽に、確実に抜ける時期なのです。
この記事では、今の時期に見つけておきたい雑草と、プロが実際にやっている抜き方・予防のコツをご紹介します。
今の時期に芽を出す主な雑草
秋に芽吹き、地面に張り付くようにして冬を越す雑草を「越年草(えつねんそう)」と呼びます。お庭でよく見かけるものをまとめました。

| 雑草の名前 | 今の姿の特徴 | 放っておくと |
|---|---|---|
| ホトケノザ | 丸くギザギザした葉が茎を囲むように付く | 春に赤紫の花が一面に咲き、種をばらまく |
| ハコベ | 小さな卵形の葉で、茎が地面を這うように広がる | マット状に広がり、花壇の株元を覆う |
| オオイヌノフグリ | 小さな丸い葉に細かい毛がある | 早春に青い小花を咲かせ、種で増える |
| スズメノカタビラ | 柔らかい細長い葉の小さな草 | 寒い時期でも穂を出し、芝生や砂利のすき間に増える |
| ナズナ・タンポポなど | 葉が地面に放射状に広がる(ロゼット) | 根が深くなり、春には抜きにくくなる |
見分けがつかなくても大丈夫です。植えた覚えのない小さな緑が地面に広がっていたら、まず雑草と考えてよいでしょう。
プロが実践している抜き方のコツ
秋冬の草取りは、春に種をつける前に根ごと取り除くことが目的です。一株の雑草は数百から数千粒の種をつけることもあるので、今の一株が春の何百株分にあたります。
- 雨上がりの翌日を狙う 土が湿って柔らかい日は、根が切れずにスッと抜けます。乾いた日に無理に引っ張ると、根が土に残ってまた生えてきます。
- 葉をつまむのではなく、株元を持つ 地面の際をつまんで、真上にゆっくり引き上げます。
- ロゼットの草は道具を使う タンポポのように根が深いものは、草取りフォークや細いマイナスドライバーを根に沿って差し込み、てこの要領で掘り上げます。
- 広がった場所は「削る」 芽が一面に出ているところは、三角ホーや草削り鎌で土の表面を薄く削ると、一度に片付きます。
- 抜いた草はその場に置かない 湿った地面に置くと、そこから根づくことがあります。袋に入れて片付けましょう。
一度に全部やろうとすると大変です。「今日は玄関まわりだけ」のように場所を区切り、週末に30分ずつ進めるのが続けるコツです。
抜いた後は「土を見せない」が予防の基本
雑草の種の多くは、光が当たると芽を出します。抜いてむき出しになった土を覆っておくと、次の芽がぐっと減ります。場所に合わせて選んでください。

| 方法 | 向いている場所 | 庭師からの注意点 |
|---|---|---|
| バークチップやウッドチップで覆う(マルチング) | 花壇、庭木の株元 | 薄いと雑草が突き抜けるので「地面が見えない厚さ」に。幹には寄せすぎない |
| 防草シートを敷く | 通路、建物の周り、使っていない空き地 | 敷く前に草と根を取り切る。シートの継ぎ目は十分に重ね、端はピンでしっかり固定 |
| 防草シート+砂利 | 見た目も整えたい場所 | 砂利だけではすき間から生えてきます。下にシートを敷くと効果が長持ちし、シートも日光で傷みにくくなる |
| グラウンドカバーを植える | 日当たりのよい斜面や花壇の縁 | 植物が地面を覆うまでは草取りが必要。増えすぎる種類は避ける |
防草シートは安いものだと、スギナやチガヤのような尖った芽が突き抜けることがあります。長く使う場所には、厚手で密度の高い不織布タイプを選ぶと安心です。
除草剤を使うなら、ここだけは守ってください
広い場所や手が回らない場所では、除草剤も有効な道具です。ただし、使い方を間違えると大切な庭木や花まで弱らせてしまいます。現場で実際に見てきた失敗から、注意点をまとめました。
- 種類を確かめる 生えている草にかけて枯らす「葉にかけるタイプ」と、土にまいて芽が出るのを抑える「土にまくタイプ」があります。目的に合ったものを選びましょう。
- ラベルの使用方法を必ず守る 薄める倍率、使える場所、使える回数は商品ごとに決まっています。「濃い方が効く」は間違いです。
- 庭木の根元では使わない 木の根は枝先と同じくらい広く張っています。土にまくタイプを木の近くで使うと、木が弱ることがあります。
- 風のない日にまく 飛び散った薬が花壇やお隣の庭にかかると、トラブルのもとになります。
- 小さなお子さんやペットがいる家庭では特に注意 まいた後に立ち入れるまでの時間など、ラベルの注意書きを確認してください。
迷ったら、まずは手で抜くと覆う、を優先してください。秋冬の雑草は小さいので、薬に頼らなくても十分対応できます。
11月の雑草対策チェックリスト
週末のお庭仕事の前に、このリストを眺めてみてください。
- ☐ 庭を一周して、地面に広がる小さな芽やロゼットを探す
- ☐ 雨上がりの日に、株元から根ごと抜く
- ☐ 芽が密集した場所は、ホーで表面を薄く削る
- ☐ 抜いた草は袋に入れて片付ける
- ☐ むき出しの土をマルチングや防草シートで覆う
- ☐ 除草剤を使う場合は、ラベルと庭木の位置を確認する
秋のうちに小さな芽を取っておくだけで、春の草取りはずっと楽になります。寒い日が続く前の、穏やかな日を上手に使ってください。
「広くて手が回らない」「防草シートをきれいに敷きたい」という方は、白兎苑までお気軽にご相談ください。お庭の状態を拝見し、場所に合った対策をご提案します。